田口知子建築設計事務所


共有の階段室。トップライトの光で明るくオープンな空間

建設地:東京都世田谷区 構造設計:アラン・バーデン 構造:木造3階
用途:専用住宅 施工:山崎工務店 竣工:2012年5月
撮影:ナカサアンドパートナーズ 敷地面積:143.08㎡ 延床面積:178.26㎡

3世帯8人家族の家 ~家の中心に「小さな町」をつくる~

 この住宅は、この土地に昔から住まわれているご両親と、二人の娘さんの2世帯が一緒に、3世帯で暮らすことを実現するためにデザインした家です。1階には長女のご主人様のオフィスとご両親の家、2階には娘さんの二家族の家が配置されています。一部の機能を共用することでお互いの生活をより豊かにしつつ、プライバシーも守られている、そんな家を作りたいと考えました。
 土地は第一種住居専用地域に位置し道路斜線、北側斜線が厳しい中での木造3階建てです。最初に考えたのは、八幡神社の豊かな緑を満喫できるバルコニーを中心に据えることです。祭り小屋の屋根の上のレベルで3家族が皆で集まれるバルコニーを配置し、南北に分かれたボリュームに2家族の家を配置しました。玄関と子供の共同書斎、お父さんの書斎を共用部の階段ホールに立体的に組みこみ、皆で子供を見守りつつ育てるような中心部の空間を実現しました。ここはトップライトの光にあふれた半外部的な場所で、「小さな町」のような開かれた空気感をデザインしました。各住居は45㎡程度の小さな家ですが、プライバシーを守りながら、共用部も含んだ家として、広がりを感じる生活空間が得られています。プライベートな家の中と半公共的中間領域を行き来する中で、他の家族との出会いも新鮮に感じられる、のびやかな生活空間を実現したいと考えました。