田口知子建築設計事務所


南側ファサード

建設地:東京都世田谷区 構造設計:小西泰孝構造設計 構造:RC造+鉄骨造
用途:住宅 施工:栄港建設 竣工:2016年7月
撮影:田口知子
敷地面積:175㎡ 延床面積:267㎡

桜の木のある住まい

 世田谷の千歳台にある、築40年の鉄骨造の倉庫+住宅の建て替え計画です。
この敷地、既存建物の玄関前には桜の巨木が生えています。これはこの家に住む奥様が生け花で利用した桜の枝を地植えにしたものが20年を経て巨木に成長したそうで、毎年春には満開の花を咲かせます。玄関にも室内にもテラスにも所せましと植物が育ち、屋上にはたくさんの植物、果樹が20本以上育つ家。緑の指を持つ奥様とガラス販売会社を営むご主人、成人した4人のお子様が共に暮らす家です。

① 光と風と緑を取り入れる立体的な共用空間と快適な個人の空間の両立
寝室・個室空間を優先して考え、7-8畳程度の4つの個室を確保することから考えました。個室以外の場所=共用部について、光と風と緑を感じる立体的な空間をデザインとしています。 日当たりのよい南東側にグラスハウス+リビングを配置し、夏のグラスハウスは引き戸で開放することにより半外部的な空間として機能させます。
空間的に連続させることから、コミュニケーションを誘発する共用部を実現し、家の中が大きなひとつながりの空間として、お互いの気配が感じられるつながりと、個室のプライバシーを両立させています。

② 屋上緑化とパッシブソーラー、ゼロエネルギー住宅
21世紀は環境共生の時代だと言われます。これから建てる新築の住まいとして、建築は高齢者の生活に対応した環境共生住宅を作ることが大切だと考えています。太陽光パネルを設置し、日常的な電気の使用量を賄える「ゼロエネルギー住宅」を提案。2階床にヒートポンプ式蓄熱床暖房を全面敷設し、ランニングコストを抑えた全館暖房を可能にします。グラスハウスを通した太陽熱を床に蓄熱させることも重要な熱源と考えます。夏の風通しと断熱、冬の太陽熱で、パッシブソーラーハウス(自然のエネルギーを最大利用して快適環境を作る家)が実現できます。
屋上の緑化は、人のための空間と植栽部分をきっちりと仕上げで区分することで防水性能を担保し、育てやすく楽しめる緑をみんなで楽しめる家を目指しています。

③ 家事が楽になる動線計画と収納計画を綿密に
2階は、料理を中心にした家事が楽にできる生活動線をデザインしています。キッチンとお母様コーナー、洗濯室、洗面所を連続させ、ループする複数の動線が使いやすい生活空間を実現します。
同時に、必要なものの量を明確にし、それを収納棚にすべて収納できる家をつくりたいと考えています。年末から来年前半で数回にわたり、「居心地の良い空間を発見するワークショップ」を計画しています。