田口知子建築設計事務所


南北断面内観

建設地:東京都中野区 構造設計:梅沢建築構造研究所 構造:RC造3階
用途:住宅 施工:未定 竣工:2016年11月予定
撮影:田口知子
敷地面積:75㎡ 延床面積:118㎡

中野区K邸(音楽家のための住まい)

  若い音楽家のご夫婦の自宅です。ピアニストとバイオリニストのご夫妻で、半地下に練習室兼小さな音楽ホールを実現するように設計しました。敷地面積は75㎡に延床35坪、建建坪は13坪の小さな住宅です。 テーマは音の響きを楽しむ空間。 一般的な音楽家の練習室は一般的に吸音を強くすることで狭い部屋の反響音を和らげ、練習室としての環境を整えているということ、一方で、音楽家としては音の響きを持った空間で練習したい、という憧れがあることを知りました。 そこで、小さな家でも音の響きを実現するような練習室兼ホールを実現できないかと考えました。天井高さを3.5m確保し、半地下とし、遮音性能を高めました。日常の中で最も長い時間を過ごすこの練習室は、本番に近い「響き」を確保できることが困難な挑戦です。吸音を少なくしつつ、反射音を感じながら演奏できるような、響きを大切にした空間を実現したいと考えています。台形の平面と不定形な天井、壁面の粗い素材など、限られた予算と広さを克服する工夫をしています。 上階の生活空間も、音楽を演奏する生活、という非日常性を光に変換した空間をつくりたいと考えました。レベル差を持って連続するワンルームの生活空間はのびやかに視線が抜ける窓と、渓谷のような細い吹き抜けを作り、上からの光が象徴的に感じられるようデザインしました。斜めの壁と不定形な台形の窓によって洞窟のような神秘的な空間を実現したいと考えています。