Works

作品実例

パッシブタウン第4期街区 たんぽぽ保育園

パッシブタウン第4期街区 たんぽぽ保育園

YKKグループによるパッシブタウンの中にある事業所内保育所の計画です。
パッシブタウンは、自然エネルギーを最大限利用したローエネルギーのまちと住まいづくりを目指して2013年にスタートしたプロジェクトです。13期まで集合住宅が整備され、4期としてはじめて木造で保育園を新築します。
すでに整備された豊かなランドスケープ、パッシブタウンとして培われたエネルギー性能評価の実績、また、保育園運営者の素晴らしい保育理念を踏まえ、三つのコンセプトとして、▽ランドスケープに呼応した伸びやかな空間の実現▽パッシブタウンにふさわしい保育園の温熱環境の追求▽地域につながる木造建築、を掲げて設計しました。

子どもたちがのびのびと過ごすことのできる融通無碍な空間、五感を育む多様で変化に富んだ森のような空間を目指しました。木架構をあらわした大屋根のもと、手前から奥へと少しずつ床高が上がっていき、風や光が多方向から入る、ひとつながりの保育空間が展開します。卓越風をできるだけ取り入れるため、パッシブタウンで蓄積された気象データをもとにシミュレーションを行い、最適な窓配置、格子戸の工夫などを行いました。
構造は設計者の稲山正弘氏とともに大径材の杉製材を最大限利用できる燃え代設計を採用、屈曲した平面に、樹状方杖の柱に支えられたおおらかな登り梁が連続します。木材は近隣の新川地区の杉を新川森林組合の業者さんで伐採・製材し、地元の工務店が建設する、地域における資源の循環と保全にも貢献を目指しました。

 

DATA

建設地:
富山県黒部市
構造設計:
ホルツストラ 稲山正弘
環境シミュレーション:
スタジオノラ 谷口景一朗
設備設計:
竹中工務店設計本部 高井啓明
構造:
木造
用途:
保育園
施工:
平野工務店
竣工:
2022年3月
撮影:
藤井浩司(TOREAL)
敷地面積:
3167.55㎡
延床面積:
469.99㎡