
「小さくてものびやかな空間を実現する」
この計画は、乳幼児専用の保育園の建て替えです。既存園舎は、古い新聞集配所を改修した簡素なもので、断熱が悪く、駐車場に囲まれ、西日にさらされる厳しい環境です。にもかかわらず、保育士の先生方の細やかなケアやリトミックを取り入れた乳児教育に評判があり募集定員を増やしたい、とのことでした。
私たちの提案は、子どもたちの環境を明るく健康的な空間とするため、建物を敷地北側に寄せて敷地いっぱいに作り、南側に土の園庭を確保することでした。1階に保育室をまとめ、法規の許容する最大ヴォリュームをつくること、明るく、断熱。・通風の良い、快適な木造建築をできるだけローコストで実現することなどが目標になりました。
限られた条件の小さな保育園を、子どもたちののびのびした生活を実現できる場所として最大限工夫しました。保育室は、真ん中に子どものトイレを配置し、保育室はドーナツ型にぐるぐる回れる計画としました。園庭に向かって開いた大きな窓と縁側、北側には吹き抜けと勾配屋根のおおらかな空間をデザインしました。
新園舎が完成後、旧校舎を解体し、園庭とパーゴラをつくる計画です。保育園が子どもたちとともに地域を明るく照らし、安らぎや優しさを感じられる環境を実現したいと考えています。
DATA
- 建設地:
- 千葉県千葉市中央区
- 構造設計:
- 梅沢良三
- 構造:
- 木造2階建て
- 用途:
- 保育園
- 施工:
- 末吉林業
- 竣工:
- 2026年2月予定
- 敷地面積:
- 125㎡(1期工事)
- 延床面積:
- 128㎡
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