T邸 2世帯住宅リノベーション
老夫婦の経営していた薬局店舗の併用住宅を、息子さん夫婦と同居するための2世帯にリノベーションしました。一階と二階に世帯を分離せず、階段のある家は老人の日々の運動に有効であるという考え方と、住み慣れた家の作りをできるだけ残して生活していただきたい、という考えから、あえて長屋のように縦に2分割することにしました。 店舗の一部と、その上に息子さん家族が住まう家を設計し、新設の階段を設置。元の老夫婦の家は、元の暮らしを残しつつ、階段の勾配をゆるくして両側に手すりをつけ、浴室やトイレなどを新しく使いやすいものに交換しました。本当に足腰が弱ったときには、上下で分けることも可能なような可変性とともに、水回り、トイレなどをトレードすることもできるようになっています。店舗だった時の広い駐車場はコンクリートを撤去し庭を作ることによりドライな表情が消えて黒土に覆われた庭は、家としての顔となりました。 バリアフリーという概念を覆し、日常的に運動するような上下のつながりを生活の中に組み込むことで、老夫婦が健康に長生きできる家を作ることが大切だと考えています。
DATA
- 建設地:
- 横浜市戸塚
- 用途:
- 住宅
- 施工:
- 大同工業株式会社
- 竣工:
- 2014年4月
- 撮影:
- 田口知子
- 造園:
- ゾエン
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