パッシブタウンの保育園 上棟しました!
今、現場が進行中の、黒部のパッシブタウン第4街区の保育園、無事に上棟しました。
予定よりだいぶ遅れてしまって心配しましたが、現場には平野工務店の大工さんが10人くらい一気に投入され、急ピッチで躯体と屋根工事が進みました。20日には構造の稲山先生、岩田様と一緒に、現場検査に行ってきました。建築の現場の監理では、構造体が見え屋根まで一期に立ち上がる「上棟」という時期が一番美しく、その建築が生まれる瞬間は感動があります。
素の状態の建築は、設計者の意図と施工者や素材の力によって生み出される新しい命だと思います。その瞬間に立ち会う喜びは、この仕事を何十年やっていても変わらないな、と思います。屋根の合板の継ぎ目は気密テープでふさぎ、垂木の下に予備の防水シートを施工してくれました。気密にも水密にも注意深く施工してくれています。
今回は、主たる柱と梁、間柱や、垂木、合板類もほとんどすべて(7割以上)地元産の杉製材を使っています。
新川材といって、黒部の山でこの建物のための伐採した杉を使い、6m級の材を梁に多く利用しています。山に利益を返す、という目的で、製材で両脇に出る羽材を垂木に利用したり、合板の芯材に使ってもらったり、とできるだけ大きく育った杉材を、その価値を損なわないで利用することを目指しています。よく見ると節が多い材があったり、ちょっと割れがあったり、ちょっと癖のある材も入ってきています。
地域産材を使うということは、そういうばらつきも許容することが大切だと感じます。山の木の個性をできるだけ生かした設計ができればよいなあ、と思います。これからも、その地域の材やその他の地域の国産材の状況について情報交換し、生産者(林業関係者)とコミュニケーションをとりながら、建築を作ること、そのなかに可能性を感じる今日この頃です。