Column

コラム

建築コラム

2017.08.01

家事を楽にする動線

家事を効率的にする動線の工夫

注文住宅を建築家に依頼する際、誰もが間取りにこだわります。しかし、実際に生活をすると広すぎる間取りに不満が挙がるのも事実。特に大きいのは“家事の動線”を考えていなかった点です。

効率と利便性を意識した家事の動線をつくるには、どのようなポイントに注目すべきでしょうか。

 

洗面室とキッチンを中心に動線を考えよう

料理と洗濯は、家事のなかでも多くの時間と労力を占めていますので、効率を考えるのであれば、洗濯・料理にフォーカスしましょう。
例えば、洗濯は「洗ってから干すまでの流れを考える」、料理なら「買い物から調理するまでの流れを考える」です。共通しているのは“外と中を行き来する”ということ。衣類を干したり取り込んだり、買い物に出かけたりゴミを出したり、これらの移動時間を短縮できれば、掃除や子供の世話といった複数の家事も同時にこなしやすくなるでしょう。

家事をイメージしながら具体的に配置する

洗濯機は洗面室(脱衣室)に設置する家が多いため、衣類を干すスペースを洗面室の近くに設けると便利です。また、扉一枚の距離で隣り合っていれば、洗ってから取り込むまでの時間が大幅に短縮できます。

そこに、バスタオルや下着類を収納できる棚を用意しておくと、より家事効率のアップが期待できるでしょう。また、洗面室とトイレを分けて配置することで、忙しい朝も渋滞しにくくなります。

部屋と部屋をつないで動線を確保する

動線を考える際、廊下を介さずに移動できるのは大変便利です。キッチンの壁に扉をつけて、洗面所、洗濯室につながっていたり、クロゼットから直接洗面室に行ける、玄関とキッチンの間にパントリーを配置する、などです。
東京などの狭小地で家を作る際にも、空間を効率的に使用して家事動線が短くする工夫で、家事が楽になる家が作れます。また、収納を考えることも、家事を楽にするポイントになります。
何を良く使うか、何をたくさん持っているか、といったことをヒアリングしてそれらの収納できる場所を、建築の中に作り付けで計画します。本や衣類、趣味の小物など、量が多くてよく使うものの居場所を十分に確保し、動線の一部に組み込むことが大切です。