Column

コラム
日々雑感2020.03.23

桑の木保育園見学報告~県産材・地域産木材をふんだんに使った保育園

昨日、アトリエフルカワさんが設計された「桑の木保育園」見学会に参加させていただきました。

県産材の木材を、構造から建具、仕上げまで、ふんだんに使った保育園です。

 見学会には、設計者の古川泰司氏をはじめ、構造設計の桜設計集団大沢さん、工務店さん、製材所の金子製材所の社長さん、造作材の木村さんなど、木材の生産者サイド、加工、施工まで、いろいろな立場でかかわった方がおられ、それぞれの方の意見を聞くことができるという、とても楽しく、有意義な見学会でした。

 そのことは、この建築の成り立ちを象徴していました。建築家が図面を描き、それを粛々と施工する、という設計と施工の関係性ではなく、材料の調達や流通をコーディネートする製材所の方が設計の初期から協力していて、設計内容にも強い影響を与える存在であり、木の生産者が一緒になって建物を作り上げている、という関係性が、うらやましいなあと思いました。地域産の木材を使う、ということは地域の林業を支援することであり、山を守ることにつながり、環境的に大きな意味を持っていると、最近強く感じています。

 空間は無塗装の杉材をふんだんに利用し、肌触りと木の香りに満ちていました。現代の私たちの住む空間で、こんなに無塗装の木を使うことは、汚れを気にすると難しいと思うかもしれません。

 空間も、木の内装を実現する(内装制限をかけない)ために、構造を準耐火構造にされていましたが、屋根の構造に工夫があり、斜め材(トラス材)をかけた天井は、燃え代なしで成り立っていて、全体として、燃え代とは思えない軽やかさで大空間を覆っていました。さすが木質耐火構造のプロ集団、桜設計集団の大沢さんにお話しを聞きながら、木造の奥深さ、面白さをふたたび強く意識する機会となりました!
子供たちには、やはり本物の自然素材の中で育ってほしいものです。汚れやシミ、傷があっても、自然の木材は、不思議と良い味になって長く愛される気がします。自然素材の欠点を、おおらかに受け入れる心を大切にする環境がもっと広がると良いなあ、と思いました。