2021.05.20

自然環境に呼応した建築の追求~パッシブタウン第4街区保育園現場レポート

現在進行中のプロジェクト、パッシブタウン第4街区たんぽぽ保育園 では、現在先行工事として雨水配管の盛替えを行っています。パッシブタウン第1街区~第3街区と連続する敷地で、黒部川の扇状地の一部として、遊水路や遊歩道、サクラみちなど、のびのびとしたランドスケープ環境があります。今月着工したばかりのたんぽぽ保育園は、現在既存の雨水ヒューム管の移設工事が行われています。建築そのものは480㎡なのですが、敷地面面積3000㎡!とても広くて、ユンボ(工事車両)がぽつんと小さく感じられるほどです。

私たちは、この保育園の設計を1年半にわたって取り組んできました。パッシブタウンの保育園として、高断熱の外皮性能を持つこと、太陽光パネルによる再生可能エネルギーを利用して、一次エネルギーの消費量をNETゼロに抑えたZEBの達成しています。「パッシブタウン」の建築の設計で特筆すべきことは、敷地内で4年間にわたって蓄積してきた気象データを持っていることです。この場所特有の微細な風の流れや温度湿度の変化をデータとして蓄積しておられることを設計に利用させていただき、環境シミュレーションとともに設計を進めることができました。この地域には、「あいの風」と呼ばれる、地域に愛される北東風があります。保育園の計画では、このあいの風を建築全体として受け止め、室内に取り込むことができるよう、建築の計上を工夫しました。内部でも、まんべんなく空気の循環が生まれるように、ハイサイドライトや機械換気のファンの設置など、空気の流れをシミュレーションしてきました。
エネルギー消費量を抑えることと、自然の光と風を取り込むこと、そして、冬の輻射熱暖房の設置、木造で、自然素材を多用した呼吸する健康など、子どものための保育の環境を追求しています。立山連峰の美しい風景を毎回満喫しながら、これからの現場に取り組んでいきます。