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建築コラム

2021.07.21

Trapezium~12年目の大規模修繕進行中

2009年に竣工したTrapeziumは、今年で12年目を迎え、大規模修繕を行っています。今回の補修工事は、21世紀工務店さんにお願いして、大規模補修を行っています。

修繕前のシーリングはこんなに劣化していました。もうヒビだらけで防水性はゼロです。

12年でこんなに劣化するのか、と驚きます。

今日は現場で、壁面まわりの点検をしました。高圧洗浄した結果、下地の鉄筋が錆びて爆裂を起こしている箇所が10か所も発覚。しかも、それは打ち放し面ではなく、光触媒塗装を塗った面ばかりでした。打ち放し面は意外なことに、劣化はそれほど目立っていません。撥水材の選定が良かったのかと思います。

いずれにしても、建築は10年~15年くらいがひとつのサイクルで、シーリングなどの劣化が起こり、大規模修繕が必要になります。一般的な戸建て住宅でも、足場をかけたり全体の塗装やシーリングの打ち直しなど行うと、結構なコストになります。

 建物の修繕費は、毎年ちょっとづつ積み立てるのがおすすめです。目安として、新築工事費の1/年程度が良いと思います。10年後には、新築時の10%程度をかけて修繕する。それを、繰り返していけば、建物は100年後までも、200年後でも、おそらく使い続けられると思います。もちろん、自分で修繕すれば、もっと費用は抑えられます。

 持続可能な未来のためにできることは、まず「今ある建物を長く使い続けること」。そのためには維持管理費用がかかるのは当然です。修繕費を、高いなあ、と思わないで、建物のメンテナンス費をしっかり準備していただくことは、持続可能な地球の未来への小さな一歩です。